サイクリストが抱える「スマートウォッチ」の悩み徹底検証
さて、実は僕もつい最近「スマートウォッチ」デビューしました。
もう今は社会人になったからロレックスだの(欲しい)デートナだの(めっちゃ欲しい)の時代じゃないですもんね。
特に人生100年時代。普段の生活を気を付けることで、長生きをするというよりかは健康寿命を延ばしていこうという思考が強い昨今。スマートウォッチに興味ある方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、サイクリストとしては非常に悩ましいスマートウォッチのメーカ選び。本日は色々な組み合わせを考えていきましょう。
ちなみに私は、スマートウォッチは所詮おもちゃだと思ってます。
お悩み内容
値段と用途
自分が何をしたいのか、とりあえず試してみたい・心電図データがとりたい・軽い方がいい・デザイン重視とかとか。
値段はかなり幅広いので、1000-90,000円まで差があります。勿論、かなりできることに差がありますし、データ信頼性も値段に比例している部分は多々あるかと思います。
大体1万円目途に見ておくと外さないと思います。
昨今、スマートウォッチのヘルスケアデータで命を救われた人や、コロナ禍での体温管理に使う方や、リモートワークでの体調・運動管理に購入する人が非常に増えているそうです。
MM総研のアンケートでは、購買理由の1位は「利用したい機能があるから 20数%」といった所。
メインデータベース
どのフィットネスアプリを中心としたいのか。「Apple ヘルスケア」 or 「Garmin connect」 or 「STRAVA等サードパーティ製」
これ、実は凄い大事です。
というのも、体重計や血圧計、果ては電動歯ブラシや髭剃りまで、対応していれば大体のものはどうにかすればブルートゥース機能で読み込んできて保存しておくことができます。
ただ、どこまで見れてどこまで分析してくれるのかはまた別。アプリUIも毎日見るものなので、非常に気になるところです。
大事な点は、ほとんどのケースでサイコンアプリ側よりスマートウォッチ対応アプリ側がベースになるのを覚えておいてください。
Appleヘルスケアの特徴は、Air podsと連携した難聴対策や心拍変動・歯磨き・性行為まで非常に多くの項目を登録する欄があるところ。
緊急時には個人認証システムをスルーしたメディカルIDの使用もでき、もしもの時に役に立つかもしれません。
また、やはりApp storeを持っているだけあって多様なアプリが(海外製の場合、多くのケースで有料)あり。貴方のこれが欲しいをかなえくれるとは思います。
とはいっても、サイコンで計測した心拍データがうまく連携しなかったり、カレンダー表記がなかったりで不便。
STRAVAとの連携で、サイクリング距離・カロリー・ワークアウトの時間程度は自動で書き込みされます。
Garmin Connectについては、心拍ゾーンの解析やパワーメータを持っている場合の出力分析なんかもセットででき、トータルでの身体能力を把握するのに長けています。
地味にOffice365と連携していたり、自転車事の走行距離なんかも紐付けられるので自転車メインで考えるのであれば一択かもしれません。
しかしながら、Garminが開発してくれる範囲内でしかアプリケーションを利用できず、ヘルスケア系新技術の国内展開等政治は企業規模を考えても中々進まないところでしょうし、サポートページがApple以上に不自由な日本語であることは否めません。
スマホの機種
iPhone or Andoroid or 持っていない。Apple WatchはAndoroidデバイスだとセットアップすらできない融通の利かなさなので、そうなると選択肢から外れます。
サイクルコンピューター
サイクリスト特有の問題、最早持病。ガーミン?Xplova?Wahoo?Cateye?
前述のメインデータベースをどれにするのかと併せてできること、できない事を取捨選択する必要があります。
特にサイコンは「自分の走り方にあったもの」がチョイスされている事が多く、多機能なのか最低限なのかが如実にでている点でもあると考えています。
もし、GPSサイコンでほぼ全ての数値を取り込めるものを使っているのであればガーミンやWahooのスマートウォッチを選ぶ方が幸福度高いかもしれません。
主なスマートウォッチメーカと機種
ここでは市場全体でどんなのがあってどんなのがシェアを広く獲得しているのかを見ていきましょう。
Apple
特に説明なくとも皆様ご存じのアメリカ5大IT企業「GAFAM」の一角。
ちなみに、GAFAMはGoogle Apple Facebook Amazon Microsoftの略で、この5社での時価総額は日本の東証一部上場企業2000社超より上。
iPheneやMacは今では当たり前のように生活で触れるデバイスです。(とはいってもOSとしてはWindowsが圧倒的)
そんなApple はApple Watchを2015年に発売してから、今年でSeries6&SEモデルまで販売しています。
特徴は同社製スマートフォンとの連携は勿論の事、公共機関での高い利便性(SUICA/PASUMO)や血中酸素飽和濃度や心電図といった意欲的な特許の開発・取得ができる技術力、許認可の申請の政治力といった所です。
ジョブズが亡くなってからダメになった、という声もよく聞きますが、Air pods proやApple Watch等の技術躍進は目覚ましい進化を遂げています。
スマートウォッチのシェアは世界出荷台数ベースで実に50%超。
オススメは勿論最新機種の6/SE。勿論、あえて少し前の3や4が凄く安くなるタイミングがあるのでそちらを購入するのもあり。
とはいっても、サイコンとのBlue tooth/ANT+連携・リアルタイムでの心拍計測は対応していないのでサイクリストとしては不便か。
Garmin
こちらもサイクリストなら誰もが知っているGPS機器メーカ。GPS市場ではリーディングカンパニーで、GPSを主に活用するフィットネス分野でも大御所です。
Garminは昨年ヘルスケア市場への本格参入を掲げており、登山家が揃って使っている信頼性の高いデバイスに更なる機能が追加される事は望む人が多いはず。
余談ですが、つい先日Garmin純正の体組織計がついに日本でも発売になるとのプレスリリースが出ていました。
【Garminが体重計を発売します!】
Garmin Connectで体重に関するデータを同期することができる「Index S2」を3月下旬より発売予定です!
体重だけでなく体脂肪率、体内水分量、筋肉量)、BMIなどが精確に計測できる体重計です。https://t.co/OepK2w44ul pic.twitter.com/hRidt7Njeg— GarminJP (@GarminJP) 2021年1月20日
また、通信プロトコルのANT+はガーミンの子会社が開発。新規分野での開発力にも期待が持てます。
スマートウォッチの世界シェアとしては、出荷台数では5%程度ですが売り上げ金額ベースだと世界2位。それだけ高機能・高価格機種を買い求める熱心なファンが根づいています。
オススメは導入しやすい「Vivosmart4」と一通りの機能が充実している「fenix 6 pro」
勿論、サイコンと同期させて心拍を取ることも可能で、GarminConnectに黙っててもすべて同期される点は非常に魅力的。また、頑丈で充電も長持ち。
SUICA対応機種も出てきており、ネックだった日常での使用も段々と便利になってきています。Vo2MAXやボディバッテリー、呼吸回数なんても見られて面白い。
留意点は睡眠感知能力が少し悪いようで、ベッドで横になってスマホで遊んでいるのと寝ているのを判断してくれないそうです。
Fibit
アメリカのヘルスケアメーカ。国内での出荷台数2位の20%。創設からずっとスマートウォッチのようなウェアラブルフィットネス端末の製造をメイン事業としています。
このご時世で順風満帆と思いきや、2020/01/15 GAFAMの一角Googleが21億ドルかけて完全買収。ただ、Googleにありがちな独占禁止法に違反していないかの審議が入っているのでちょっと雲行きが怪しい感じもしています。
もしこの買い付けが万全に済んだら、iPhoneではApple Watch、Andoroidでは Fibitといった情勢になるのかもしれませんね。
色々なレビューを見ていると、睡眠分析系統が優秀。また、AppleのSiriのようにAlexaが入っています。
また、つい先日(2020/01)にSUICA対応機種を販売する事を発表しました。
SUICA対応のウェアラブル端末をFIBITが発表:engadget様
オススメはフラグシップモデルながら\26,000-前後のVersa3。Fitbitは耐久性に少し難があるようですが、コスパを考えると一番いいかと思います。
HUAWEI
中国深セン(シェンチェン)市にある通信機器メーカ。ちなみに、深センは割と機械メーカが多く、場所的には香港の上です。
スマートフォンでは世界シェア2位だったこともある(現在はアメリカの対中国施策で業績悪化)
光通信なんかの事業もやっており、かなりの巨大企業です。
オススメ機種は「HUAWEI WATCH GT 2 pro」「HUAWEI WATCH FIT」
サイクリストの各シーンでのスマートウォッチ活用法
さて、サイクリングは意外とハードです。取れるデータや欲しいデータは沢山あります。
日常とサイクリング中のフィットネスデータを統合するとなると自分のサイクリングに臨む姿勢をあらかじめ考えておかなければ、思った以上に不便なんてことになりかねません。
ここでは、代表的な各状況想定をしていきます。
ビジネス・交友関係の広い、週末ライダーという属性
欲しい機能:OutlookやLINE通知/返答・交通系決済・睡眠分析・乗換案内連携・心拍数 シーンに合わせたベルト
iPhoneであれば、十分にApple Watch SE でいいと思います。
特に営業マンなんかだと結構通知を漏らさない(小言を言われる)・シーンに合わせたベルト(小言を言われる)なんてのは大事ですよね。
最近は昔より色々とラフになっているのでApple Watchを付けている事そのものは問題ないと思いますし。
サイクリストとしては、ちょっと面倒ですが装着してライドに臨むか、アクティビティの詳細は分けてしまってもよいかと思います。
Andoroidの場合はどこにデータを集めるかにもよりますが、Garminを基本構想に金額面や将来性でFitbitも優秀。
次の記事でインプレを入れますが、私は比較的このタイプなのでApple Watch SEを購入しました。(自分で陽キャと言っている訳ではない)
ビジネス・スポーツメインで時間さえあれば自転車練習している属性
欲しい機能:Vo2max、ボディバッテリ等、長持ちする充電、比較的高反応な心拍計測、睡眠分析
こうなってくるとGarmin一強ではあります。心拍ベルト代わりになるので乳バンドを使いたくない場合は、特に優先ですね。
また、輪行の時にわざわざ交通カードやスマホを取り出さなくても決済できるのはとても優秀です。活用シーンが想像しやすいし。
一応、Vo2max/長持ちする充電/高反応リアルタイム心拍計測まで考えるとFitbitもありですがサイコン同期不可能。
また、主なメーカとしては記載しませんでしたが、実はwahooもスマートウォッチを2021/01/20から販売しています。
特にインドアトレーニングが捗るこのご時世、スマートトレーナー/サイコンと併せて揃えてみるのも面白いかもしれません。どちらかというと、トライアスラー向きのようですが。
まとめ
基本的に、スマートウォッチ開発メーカの中でサイクリングに対する比重はとても軽いものです。というか、サイコンなんてものを考えなきゃいけないのが面倒なんでしょうね。
ただ、コロナ禍においてサイクリングは非常に注目されているところでもあるので今後に期待でしょうか。
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