ディスクブレーキモデルロードバイクの取り扱いについて
今回は新規・追加でロードバイクの購入を悩んでる方へ贈る「ディスクブレーキモデルのロードバイクを買う際、どういう心構えやアイテム購入計画をすればいいか」といったHow To記事です。
私もMERIDA REACTO4000を乗り始めて一年以上、色々ともっと早くこういうアイテム持っておけばよかった・認識しておけばよかったなぁというのをつらつら書いておきます。
購入前に知っておきたいこと
現在、ロードバイクの市場は流通している量で言えば圧倒的に「リムブレーキ」と呼ばれる、ホイール外周をゴムで挟み込むブレーキタイプのモデルが多いわけですが、メーカ各社がこぞって「ディスクブレーキ」と呼ばれるホイール外周とは別にブレーキ機構を設け、レジンやメタルのパッドで挟み込むモデルを市場へ投入しており、これから買うならやっぱりディスクだろ、といった世の中になりました。
なんでみんなディスクに移行しているの?というのは詳細は別サイトさんのリンク張っておくので、興味あれば読んでみてください。
実際は、①メーカが新規市場を求めて買い替え需要を促している ②より速いバイクを製造する為に、現在の機構では問題がある(リムブレーキ前提の設計では全体の剛性が足りない等) ③悪天候時やカーボンホイール選択時のホイール側やゴムシューの制動力・耐久性がイマイチ と、各方面にメリットがあるからです。
なので、別に無理してディスクロードを買う必要はないかな、とも思います(制動力に恨みがあるなら別)。
私が一番最初に購入したロードバイクは、GT のグラベルロードでそれが初心者でも乗りやすい寸法設計でラフに乗れて何より安いから。
その後購入したリアクトは色々悩みましたが、制動力が安定している安心感とディスクのがかっこいいのと今後の展開がまるで読めないからとりあえずで選びました。後悔はない。
ただし、ディスクブレーキと一概に言っても機械式と油圧式があるので留意する事。
※ブレーキ制動力の話題は、原則しません。というのも、機構や素材の話をすると中々に難しいお話になってしまいます。
ただ数々のローディーの経験則として、確実に雨の日の制動力は向上しているという認識でいてください。
また、ドライコンディションで急ブレーキかけると油圧の力で簡単に後輪ロックして横滑りするから気を付けてね。
機構についてはこちらのサイトの解説がかなりわかりやすいので参考までに。
「ロードバイクのディスクブレーキ時代へ!サイクリストが知っておくべき基礎知識:Bicycle CLUB」
今回は、日常的・緊急的なメンテナンス以外はショップに頼る前提で話を進めます。じゃないとバイクスタンド買たり整備の本買うところから始まっちゃうので。
- メーカは買い替え需要促しで煽ってくるよ!
- 後述するメンテの面倒さで、ショップ依頼が来るからショップも煽るよ!店にある新型売りたいし
- ユーザにもちゃんとブレーキの安心感とかカーボンホイール選べるとかのメリットあるよ!
- 好きなバイクの好きなモデル買っても大丈夫だよ!
気を付けるところ
(油圧)長時間の逆さ置き
さて、油圧ディスクブレーキが少しづつ市場に浸透したころ、倒立状態にすると所謂「エア」が入ってしまい、ブレーキがスカスカになって効かなくなる現象が起きるという話がありました。色々なブログみましたが、この当たりはショップブログでも意見が割れるところのようです。
SHIMANO社マニュアルにも、「倒立に対応できる設計ではない」との記載があります。
しかしながら、問題ないというブログや下記動画を見るに「最初にお店でしっかりエア抜きしてるから問題ない」「そもそもロードバイクの油圧機構は空気が入るように設計されていない、MTBは違うので」といったコメントがあり、且様々な方が横型輪行しているので問題ないだろうという認識で大丈夫だとは思います。
一応、倒立させた後はブレーキレバーを複数回握ってきちんと動作するかの確認が必要だとは思いますが。(下記掲載の動画内でもSHIMANOに確認済みとのことです)
初めての油圧ディスクブレーキ!押さえておきたい注意点:ワイズロード様
油圧ディスクロードバイク輪行;注意しておきたいことやエア嚙みしない方法:BIKE PLUS
ブレーキ機構へのオイル付着
メンテナンスや走っている最中に、何かしらのオイルが付着した場合、制動力の低下と後述する音鳴り頻発の要因になります。
対策は、パッドの交換や清掃になります。パッドの交換は後述しますが、清掃の場合、特定のクリーナーや中性洗剤(特に食器用洗剤)とお湯での洗浄でおそらく事足りるはずです。
そもそも、揚げ物した後のお皿なんてやたらベドベドなのに復活するのでまあ染み込みすぎてなきゃ問題ないというのも納得いく話ですよね。
ケミカルクリーナーを使用する場合、MTBメンテナンスで有名なMucc-Offより下記クリーナが販売されているので、試してみてはいかがでしょうか。
音鳴り
ブレーキ機構になにかしら異常がある、一番悩まされます。日本人は異様に音に敏感とも言いますが、本当に気になるときは気になります。原因ですが
①オイルが付着している
②ローターがゆがんでいる
③ブレーキ機構のセンターが出ていない、ピストンが出ている
④水やその他付着物
⑤パッドの擦り減り方が均等でない
といったケースが挙げられます。対策は一通り当記事にて解説してあります。
ただ、適当にブレーキ何回かかけたり、ブレーキレバーにぎにぎしてると治ることが多い印象。
ローターの径
一般的にロードバイクのディスクローターは160mm/140mmを選択できます。径が大きい方が放熱性と制動力は高い。
が、軽量化やデザインの関係で140mmを選択する場合、Shimano社はリアホイールのみとマニュアルに記載しています。
個人的にはどっちも160mmを押しておきますが、体重が軽い人だとどちらも140mmのブレーキレバーの引きとフィーリングが合うんじゃない?なんて意見もあります。
ローター径を変更する際はキャリパー台座の向き調整も必要です。
参考リンク ディスクブレーキローター径考察:Bicycle COLOR様
パッドの材質
レジンorメタルがある。また、両者ともフィン付きか否かも選べます。フィンは放熱性を高め、ブレーキ安定性を向上させます。
レジンは樹脂で成型されたタイプ。
①消費がある程度抑えられるので経済的 ②音鳴りを抑えられるので神経にこない ③バイク速度をコントロールするのを重視する方 はこちらがオススメ。
個人的にはフィン付きレジンパッド・・・シマノだと「LA03」とかで十分だと思っています。平坦や偶にしかダウンヒルらしいダウンヒルしない方へ。
メタルは銅やセラミックを混成して焼き固めたもの。①金額・制動力ともに高い。ガツンと効くブレーキフィーリング ②オイル付着や雨の日に強い ③音鳴り凄い(高音のフォンフォンする音)
ブルベ等ダウンヒルガンガンこなす方や荒天時の乗車が多い方へ。
そもそも、ローター側が「RESIN ONLY」のものもあるので要注意。
バイクのエンド部(ホイール止めるやつ)
リムブレーキの一般的なモデルのクイックスルー違い、最近のモデルは12×142mmのスルーアクセルが付いてます。
規格が違い、今まで使っていたものや買ったものが使えないケースに注意。
変わった理由は下記サイト参照。無くすとバイクメーカ取り寄せになるので注意。
消耗品関係の認識
ここからは、実際に運用していく上で何が必要になるかを記載します。色々調べた中でのオススメ商品も記載しておきます。
全バイクモデル共通品と交換目安
ある意味で5000kmがざっと一つの目安としています。
ただし、この5000kmをどのくらいの早さで達成するかは人次第なので妄信しないように。まあヘルメット同様詰めれば詰められちゃうところでもありますが。
タイヤ・・・約5000kmか擦り減ってきたら。モデルのよっては初期から小さいくぼみがあるので、そのくぼみが消えたら。グリップの模様が消えるという目安もある。
チェーン・・・俗にいうチェーン伸びが起きたら。伸びるわけではなく削れて歯が合わなくなるので、チェーンチェッカーで確認。約5000km。
バーテープ・・・汚れてきたらかグリップ力が落ちたら。ブレーキや変速ワイヤーの張替え時にもはがすのでそこが目安。
ブレーキ・変速ワイヤー・・・1年に1回程度を目安に。こちらも色々な意見が出てますが、5000km目安だと無理が無くていいかもという意見も。明らかに引きや押しに違和感を持ったら必ず。
その他・・・ご臨終の兆候が見えたら。車の車検と同じで定期的にプロに見てもらうのを強く進めておきます。
ディスクブレーキモデル特有の消耗品
ディスクローター
かなり薄いステンレス材質の円盤なので、ブレーキかけてるとそのうち削れてきます。目安はパッドを三回交換程度(1.5万キロ?)or厚さが1.5mmになったら。
メタルの場合、結構削れるそうなので気にかけておくこと。
交換方法は後述。
ディスクキャリパー(パッド)
最重要。気にしてないと物凄い確認しにくいのでちょくちょく見ること。シマノマニュアルでは0.5mmになったら交換すること。
ざっくり目安でレジンの場合距離5000kmです。メタルは更にハードなので、もっと短くなります。
(油圧時)ブレーキオイル
油圧機構の場合、中に入っているミネラルオイルが一定のダメージを受けると摩耗していきます。イメージとしてはピンクの液体が濁り→透明になってくる。
一定以上ダメージを受けるとブレーキの効きが悪くなるので、定期的に交換しましょう。
オイルブリーフィングと呼ばれるオイルの入れ替え作業は非常に時間もかかるので、お店で頼むのがいいと思います。
逆さ置きの下りでも記述した通り、「エア抜き」がうまくいかないとブレーキが制御不能になりますので。
ディスクブレーキモデル専用の準備・知っておくとよいもの
メンテナンス関係
メンテナンススタンド
規格がスルーアクセルになった事で、市場に多く出ているものが使えなくはない・・・が使いにくいのは事実。オススメは下記リンクから。
レビューにある通り、まず片側を足で踏んで手でひん曲げてください。話はそこからです。
チェーンキーパー
後輪外してのチェーン清掃に。基本的にはホイールが無くても、スルーアクスルはフレームに固定できる作りなので、チェーンを巻き付ける丸いパーツさえあればOKです。輪行にも使えるので是非欲しいところ。
私は下記を購入しました。このパクツールのであれば、現在クイックリリース方式をお使いの方も両用できます。
ディスクロードにだけ使えればいいという場合は、下記の丸の部分だけのをご購入下さい。
ブレーキセンター出し工具
パッドとロータの隙間は1mm以下程度という最早目視が至難の業の世界。その為、パッドの削れかたやホイールの作りによってずれます。その際、ディスクローターにハメてブレーキレバーを引けば問題なくセンターを出す工具。
正直なんでもいいけど、よく見るオススメはこちら
ディスクローター修正工具
ローターそのものが薄い所為で結構簡単に曲がる。しかも一部分だけ曲がるという器用さが何故かある。その為に必要な工具です。
一応、モンキーレンチでも代用可。下記動画を見ながらやってみましたが、かなり難しいです。やる時はガッツリ時間をとって本当に少しずつまげて見ましょう。
私のおすすめは、下記のペドロス製レンチ。RITE WAYのサイトにてこの記事を見つけて、手持ちが出来て持ち運べるという利点を凄く気に入りました。
ブレーキキャリパーピストンツール
メンテナンス時にホイールを外してボーとしてる時や輪行時の不意の脱落時に、ブレーキ握るとキャリパーが閉じ切っちゃいます。その時に使うやつ。
一応パッドの上からマイナスドライバーでゴリ押しても戻る。また、パッド交換時にも戻さないといけないので、確実に欲しいところ。
ディスクローターをホイール装脱着工具
ホイールを変えた際に。
ホイールメーカやローターメーカによって工具が変わる点に注意。特に完成車の場合、謎のホイールが付いていることがまあ多いので出来ればお店の人に聞いてみてください。
要するに上記表のセンターロック式+ボルト式があり、何が付いているのかを調べるところが肝要ということです。
TL-LR15はスプロケの脱着に使う工具です。TL-FC36はBBに使う工具。私の場合は、メリダ純正もレーシング3DBもTL-FC36なので下記の物を買いました。
余談ですが、ホイールを変えると物によってはブレーキのセンターが狂います。
私がMERIDA標準ホイールからフルクラムレーシング3に変えた際は微妙にズレてましたが、そのまま問題なかったので特に何もせず。
取り付け方は下記動画参照。
結構な大トルクなので、装着に自信なければ、ブレーキのセンター出しが問題ないかも含め、お店にやってもらうといいです。
輪行関係
輪行袋
これはリムブレーキもディスクブレーキも同様。だが、ディスクは横型の方がやっぱりストレスが少ない。特にXXS等フレームサイズが小さい場合、横型も縦型もそこまでサイズ感に差異はないと思っています。(大体横幅で2-30cmの差) 最初の内は楽な横型のを選んでおくとストレスは少ないかと。
大きいのを許容できる場合(横型)
手軽に持ち運びたい場合(横型)
縦型を許容できる場合(新幹線輪行等)
※リアエンドはクイックリリース用
横型・必要なアイテムが大体そろっているAll IN型
まだ未発売のマルト RK-03。色が豊富で、下記画像のように「ディスクロード」での輪行に必要なものがザっと揃っています。初心者の方で、何も持っていないよ~って方は横型で敷居もある種低いですし、お試ししてみてはいかがでしょうか。
チェーンキーパー
メンテナンス同様に。
カバー類
①スプロケカバー(リム/D共通):フレームへの傷・歩行者とぶつかった際に相手や自分の怪我を避けるため・オイルの付着対策
②ディスクローターカバー:輪行袋にてホイールが分けれるようであれば不要とする人も多い。が上記同様あると安心。
③フレームカバー:私と同じ神経質仲間に乾杯。
④ホイールカバー:どの程度、通行人とぶつかった際の事や袋が増える事、パッキングが楽になることを考えるかによりますが、慣れている人程使っているイメージです。
エンド金具
縦型輪行袋時必須。横型時、少しでもリアディレーラーへのダメージを軽減させたい場合も要検討。ただしこいつが一番邪魔なのも事実。
スルーアクセル対応のものを選ぶこと。
ホイール固定用ベルト
紐で態々結ぶの面倒なので、ゴム製のベルトで固定。難点はうまくホイール位置を決めてフレームと固定しないとゴムが固いので中々難しい点。ポジティブに考えれば正しい位置でキツメに固定できる。
ブレーキスペーサー
輪行中にブレーキレバーを押してしまいかねず、そうなるとディスクキャリパーをこじ開けることになるので凄く大事。可能であれば、ブレーキを引いた状態で固定できると万が一のエア交じりも避けることができる。
得に、最初についている差し込み式のではなく、ゴムで固定する方式のをオススメします。最悪なければハガキかチラシ詰めてください。以外といけます。
番外編:+エアロモデル
ディスクブレーキに移行しつつあるとは言いましたが、同時に空力をより意識したエアロモデルも多く販売されて来ています。私のMERIDA REACTOもエアロモデルです。
これがまたやっかいで、ライトやサイコンのアーム・ゴムを付ける際に結構ネックになります。しかもバイクメーカやモデルによってシャープさが均一でないので神経を使うところ。
エアロハンドルなんてつけた日にはごっそり環境変えなきゃなんてこともありますので・・・。
サイコン/ライトアーム:レックマウントが各エアロハンドルに対応しています。探してください。
リアライト:今のところ一番評判いいのは「Cat eye製RAPID X 3」。ゴムで柔軟に対応可能。
まとめ
おそらく漏れはないとは思いますが参考になれば。ちなみに洗車は中性洗剤丸洗いが無難だと思っています。ワコーズとかのケミカル、不意にディスクブレーキ機構につきかねないので。
ある意味、ディスクブレーキモデルを買う場合は初心者の方がいっそ何も持ってないので揃えたり対応は苦じゃないと思います。下手にリムに慣れている人たちだと面倒かもしれませんね。書いてて凄い思った。今までよりお金か技術をマスターする根気ないと厳しいよねえ・・・。勿論良さもあるんだけど。
サムネイルのネタ伝われ。いまだにゴッズは至高だと思ってます。
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