【ロードバイク】結局BOAダイヤルってなんなの?

【ロードバイク】結局BOAダイヤルってなんなの?

ヘルメットやビンディングシューズに使われているBOAダイヤル。

一見ただのダイヤルに見えますが・・・そこに織り込まれている技術について皆さんは意識した事ありますか?僕は今までありませんでした。

しかし前回の記事でシューズによって採用されているダイヤル種類/メーカが異なることから興味をもって調べてみたところ、そこそこ興味深い事が色々と書いてあったので今回はまとめてみました。

1. BOAフィッティングシステム概要

元々はスノーボードやスノーシューズのウィンタースポーツメインで開発されたBOAダイヤル。
企業としては意外と新興企業で、2001年に北アメリカはロッキー山脈付近でできた会社です。社長が医療用カテーテルなんかの技術を応用して開発したみたいですね。
SHIMANOなんかも長年ワイヤー技術を取り扱ってるし、開発しそうなもんですが。

今ではいわゆるトライアスロン系やゴルフ、テニスといった機材スポーツ系に幅広く、いたるところで見受けられます。実はスポーツ用のサポーターやバイクのグローブなんかにも採用されていますね。

ご存じの方が大半だとは思いますが、このBOAフィッティングシステムはダイヤルを回すことによってワイヤーを巻き取り、フィッティングを調整する為のもの。
要は"靴紐"ですね。特長としては、靴紐みたいに結んだりほどけてしまったりといった面倒がなく、脱着する時はダイヤルを上に引き上げるだけでよい。

特にロードバイクでは走行中にも締め直しができるのは凄まじいメリットです。また、圧着具合が適切に調整されるため、シューズの中で足の一部分だけに負荷がかかるのを防ぐことができます。

構成は①BOAダイヤル ②専用ワイヤー ③ワイヤーガイドの3点からなっており、このシステムがついているだけで値段が上がりますが、その甲斐あってかなり上質な密着間を提供してくれます。

BOAって名称の由来は「ボア・コンストリクター」っていう名前の蛇だそうで。ハンコックかな?

2. BOAダイヤルの種類

さて、このBOAダイヤルですが実は結構な種類があります。

FS1・・・FS1は締め付ける方向だけでなく、緩める方向にもきっちり調整ができ、一々外してまた閉めて・・・と面倒な事をする必要はありません。また、汗で手が濡れている時も滑らないような形状になっています。ヘルメットに使用されていることが多いです。

L6・・・最も多方面に採用されているメジャーなダイヤルで、耐衝撃性◎、ダイヤルが外れてもハメて治せるブルベ向け。私の愛用しているSHIMANOビンディングシューズ RC7もこの規格のダイヤルが装着されています。閉める向きの一方向のみしか調整できないのが少し不便。

IP1・・・L6との最大の違いは、逆回転させると緩められる点。これにより、むくみや体勢の違いによる締め付けすぎに即座に対応する事ができます。
各メーカーの上位モデルシューズにはこのダイヤルが採用されています。

Li2・・・今売り出し中のBOAダイヤルラインナップハイエンド。IP1との違いは更に丈夫に、薄く軽量になっています。また、デザインが3種類用意されており、ダイヤルを回すときのグリップが異なります。

S3(S2/S2-V)・・・スペシャルライズド専用の設計品。同社はBOA社とコンビを組んでいくつか専用品を生み出しています。有名な所ではS-WORKS 7シューズに採用されていますね。
違いはアルミニウム製ダイヤルで、独特の音を鳴らすことができ、熱圧着式になることでよりよい密着感や圧力を分散させている点です。

更に同社はカラーバリエーションが豊富で、同じ規格、例えばS3であればS3ラインナップ内で交換が可能です。

3. メンテナンスと保証

このBOAダイヤルですが、ワイヤー切れたりダイヤルが破損したら靴ごと買い替え?と思いがちですが結構簡単に交換できます。

壊れた時は、BOA社の保証制度を利用してワイヤー及びダイヤルを製品の保証期間のうちであれば無料で材料が送られてきます。(ヘルメットは対象外のよう、また一部特殊なモデルのシューズもダイヤルが圧着されており交換不可能)

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もし、予備で持っておきたい等でAmazonで有料で購入する際はこちらから

ちなみに公式FAQでは、犬が食べたとしても保証してくれますか?との問いに、「保証期間であれば対応します」と記載しているお茶目っぷりを披露しています。

 

修理方法は

①マイナスドライバーとかでフチを押してダイヤルを取り外す

②ワイヤーを取り外す

③ワイヤーを取り付ける

④ダイヤルを装着

⑤ダイヤルにワイヤーを通して端を玉結び

⑥あまったら5mm程度をカット

下記動画がとてもわかりやすいので是非参考にしてください。

 


 

おわりに

正直、なんでこんなのが特許技術で誰でも思い浮かびそうなのに採用されまくってるのか心底不思議ではあったのですが、耐久性だのサポートだの考えたら画期的なんでしょうねえ。

是非皆さんもシューズやヘルメットを購入する際はダイヤルの使用感にも思いを馳せてみてください。